シニアのためのAI教室

AIが得意なこと・苦手なこと～シニア向けやさしい解説～

AIが得意なこと・苦手なこと～シニア向けやさしい解説～

こんにちは、「シニアAIブログ」です。今回のテーマは、AIが得意なことと苦手なこと。AIの特徴を知ることで、これからの暮らしで上手に付き合うヒントを一緒に探していきましょう。前回は「AIにもいろんな種類がある」というお話をしました。今回は、「AIが得意なこと」と「AIが苦手なこと」について、わかりやすくお伝えします。

AIが得意なこと

まずは、AIの「得意技」からご紹介します。

🔸データを読み取る・覚える・比べる AIは、大量のデータを一瞬で読み取ったり、過去のデータと比べたりするのが大得意です。例えば、「過去10年の天気データ」と「今日の気温・湿度」を照らし合わせて、「明日は雨が降る可能性が高いですね」と予測するのもAIの腕の見せどころです。こうした予測は、天気予報だけでなく、健康管理や旅行の計画にも役立ちます。

🔸パターンを見つける AIは膨大なデータの中から共通点や傾向を探すのがとても得意です。写真の中から顔を見つけたり、話し言葉を自動で文字に変換したり、医療の現場ではレントゲン画像から病気の兆候を見つけるのにも使われています。シニア世代にも身近なスマホの「顔認証」や「音声検索」も、このパターン探し技術が活かされています。

🔸繰り返し作業をミスなくこなす 何度も同じ作業を続けるのは、人間には少し退屈で集中力が途切れがちですが、AIは違います。むしろ、正確に同じことを何度も続けるのが得意中の得意です。例えば、膨大なアンケート結果を集計したり、毎日決まった時間に天気を調べたり、ルーティン作業はAIの大好物。人の代わりに淡々と働いてくれる頼れる相棒です。

🔸言葉を覚えて、日常会話もこなせる 最近のAIは会話力もぐんとアップしています。SiriやGoogleアシスタントなどを使えば、天気の質問だけでなく、「明日の天気と、洗濯物を干すのにちょうどいい時間を教えて」といった少し込み入ったリクエストにも対応。まるでちょっとおしゃべり好きな秘書のように、知りたい情報をまとめて教えてくれることもあります。

🔸24時間いつでも働ける そしてAIの大きな強みは「休み知らず」。深夜でも早朝でも、困ったときにすぐ応えてくれるのはAIならではです。人手不足のサポート役としても期待されていて、介護相談や健康アドバイスなどにも広がっています。

AIが苦手なこと

どんなに頼れるAIでも、やっぱり苦手なこともあります。

🔹気持ちをくみ取る・空気を読む AIはデータから答えを出すのは得意ですが、「相手の気分や本音」を察するのは大の苦手。「ちょっと寂しいな」とつぶやいても、「近くの公園をご案内します」とズレた答えを返すことも。人の表情や声色、ちょっとした間合いから気持ちを感じ取る力は、人間にしかできません。

🔹常識や文化的な背景を理解する 人間にとっては当たり前のことも、AIにはちんぷんかんぷん。「犬も歩けば棒に当たる」なんてことわざをそのまま受け取って、「犬が歩くと棒に当たる確率は何％」なんて真面目に答えてしまうかもしれません。また、お盆や年賀状といった日本独特の文化的な行事や、親戚付き合いのマナーなども、AIには簡単には理解できません。日本ならではの文化や習慣も、データとして教え込まなければ分からないのです。

🔹新しい発想やひらめき AIは過去のデータを元に答えを出すので、まったく新しいアイデアや、「こんな面白いこと思いついた！」というひらめきは苦手分野。逆に言えば、シニア世代の豊かな経験から生まれるアイデアは、AIには真似できない宝物です。

🔹感情を込めた言葉や共感 AIも「ありがとう」「お大事に」と言うことはできますが、そこに心を込めることはできません。人の温もりや気持ちのこもった言葉には、まだまだAIはかないません。シニアの皆さんが持つ優しさや思いやりは、AIには決して真似できない大事な力です。

🔹判断基準がデータ頼み AIの判断基準は、あくまで「データがどうなっているか」。でも人間は、データには表れない「経験則」や「勘」を大事にしますよね。AIには、その「勘」の部分がありません。データだけを見て判断してしまうので、「そんなに単純な話じゃないよ」というズレが生まれることもあります。

まとめ

AIは、「データ処理」「パターン探し」「繰り返し作業」はピカイチの実力者。でも、「気持ちを察する」「新しいアイデアを生み出す」「文化や常識を理解する」といった部分は、まだまだ人間にはかないません。特にシニア世代の皆さんが持つ「人生の知恵」や「豊かな感性」「人への思いやり」は、AIがどれだけ進化しても真似できない、かけがえのない宝物です。